運動テストの内容と家庭でできる練習
運動テストで評価されること
運動テストでは、運動能力の高さだけが評価されるわけではありません。試験官が見ているのは、指示を正確に聞いて動ける力、最後まで諦めずに取り組む姿勢、順番を待てるマナー、お友達を応援できる社会性など、総合的な力です。慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部など、運動テストを重視する学校は少なくありません。
運動が苦手な子でも、一生懸命取り組む姿勢は高く評価されます。逆に運動能力が高くても、指示を聞かずにフライングしたり、できない子を笑ったりする姿はマイナス評価になります。まずは体を動かすことを楽しむ習慣をつけることが何より大切です。
よく出題される種目と評価ポイント
小学校受験の運動テストで出題される種目は、特別な運動能力を必要としないものがほとんどです。以下、代表的な種目と試験官が見ているポイントを詳しく解説します。
- •かけっこ・ジグザグ走:まっすぐ走る力に加え、合図で走り出す反応の速さ、コーンを回る際の体のコントロール力が見られる。慶應幼稚舎ではサーキット形式で複数の運動を連続で行うことが多い
- •ケンケン・ケンケンパ:片足でバランスを保つ力とリズム感。左右どちらの足でもできることが望ましい。年長の秋までに10回以上連続でできることが目標
- •両足ジャンプ・幅跳び:両足を揃えて跳ぶ基本動作。前方への跳躍力だけでなく、着地の安定性も見られる
- •跳び箱(1〜3段):跳べるかどうかより、恐がらずにチャレンジする姿勢が大切。手のつき方、踏み切り方を事前に練習しておく
- •ボール投げ・キャッチ:片手投げ(上投げ)が基本。的当て形式の場合も。ボールをキャッチする(取る)力も見られる学校がある
- •バランス系:片足立ち(10〜30秒)、平均台渡り(まっすぐ・横歩き)。平均台は高さ30cm程度が多い
- •リズム運動:スキップ、ギャロップ、音楽に合わせた動き。リズム感と全身の協調性が見られる
- •模倣運動(まねっこ体操):先生の動きを見て正確に真似する。「見る力」と「体を思い通りに動かす力」の両方が必要
- •なわとび:前跳びが基本。連続で10〜20回跳べれば十分。持ち方と回し方を正しく覚える
- •クマ歩き・アザラシ歩き:四つん這いで前進する動き。体幹の強さが問われる。青山学院初等部でよく出題される
学校別の運動テスト傾向
- •慶應義塾幼稚舎:サーキット形式で多種目を連続実施。体力とスピード、指示理解力を総合的に評価。運動テストの比重が非常に高い
- •早稲田実業学校初等部:基本的な運動能力を見る。かけっこ、ボール運動、模倣運動など。指示を聞く態度も重視
- •青山学院初等部:クマ歩き、平均台、マット運動など。「体の使い方」を見る傾向。集団での運動も
- •学習院初等科:基本的な種目が中心。礼儀正しさ、順番を守る姿勢も評価対象
- •成蹊小学校:集団でのボール遊びやゲーム形式。協調性やルールの理解度も見られる
家庭や公園でできる練習メニュー
運動テストの対策は、体操教室に通わなくても家庭と公園で十分にできます。大切なのは「遊びの中で」「毎日少しずつ」「親子で楽しく」取り組むことです。以下、場所別の具体的な練習メニューをご紹介します。
【公園での練習メニュー】
- •かけっこ:「よーいドン!」で走り出す練習。親子で競争すると楽しい。ジグザグ走はペットボトルを並べてコースを作る
- •ケンケンパ:地面にチョークで丸を描いて練習。片足→両足→片足のリズムを覚える。左右交互にできるとベスト
- •ボール遊び:最初は大きめのゴムボールでキャッチボール。的当ては段ボール箱を的にして距離を変えて投げる
- •なわとび:まず親が片端を持って回し、跳ぶタイミングを覚える段階から。慣れたら自分で回して前跳びに挑戦
- •鉄棒:ぶら下がる(10秒→20秒→30秒)から始める。前回りは無理に教えず、まずは鉄棒に慣れることが大切
- •平均台の代わり:縁石の上を歩く、地面に引いた線の上を歩くなど。慣れてきたら横歩き、後ろ歩きにも挑戦
【自宅でできる練習メニュー】
- •片足立ち:歯磨き中に片足で立つ。目標は30秒。目をつぶってできたら上級者
- •クマ歩き・アザラシ歩き:廊下や部屋の中で四つん這い移動。タオルを腰に挟んで落とさず進むゲームも楽しい
- •まねっこ体操:親の動きを真似するゲーム。手を上げる、片足立ち、腰を曲げるなど。指示を聞く練習にもなる
- •お風呂で手指の体操:グーパー、指折り数え、じゃんけん。巧緻性と指の力を鍛える
- •風船バレー:風船を落とさないように打ち上げ続ける。反応速度と空間認識が養われる
- •音楽に合わせたダンス:童謡やリズムの良い曲に合わせて自由に踊る。スキップやギャロップの練習にもなる
年齢別の運動発達目安
- •年少(3〜4歳):走る、ジャンプする、ボールを転がす・蹴る。この時期は「楽しく体を動かす」体験が最優先
- •年中(4〜5歳):片足跳び、ボールのキャッチ、ブランコの立ちこぎ、スキップ。少しずつ「指示を聞いて動く」練習も
- •年長前半(5〜6歳):なわとび前跳び、片足立ち15秒、ケンケンパ、ボール投げ5m以上。受験対策として体操教室に通い始める家庭も多い
- •年長後半(直前期):各種目の精度を上げる。スピードと正確さのバランス。「1回の指示で正しく動ける」ことが目標
運動が苦手な子への接し方
運動が苦手な子どもには、「できない」ではなく「あと少しでできそう!」「前よりすごく良くなった!」とプロセスを褒めることが何より大切です。他の子と比べるのは厳禁。昨日の自分との成長に目を向けさせましょう。「公園に行こう」と言うと嫌がる子には、お気に入りの遊具から始めるなど、まず「外で遊ぶこと自体」を楽しいと思えるきっかけ作りから始めてください。
体操教室に通う場合は、受験体操専門の教室より、まずは「楽しく体を動かす」ことを重視した一般的な体操教室がおすすめです。受験直前期(年長の夏以降)に受験対策コースに切り替えるのが理想的なパターンです。月謝の相場は一般的な体操教室が月5,000〜8,000円、受験体操教室が月15,000〜25,000円程度です。
試験当日の注意点と準備
- •服装:動きやすいポロシャツ(白)+ハーフパンツ(紺)が定番。靴は履き慣れた白い上履きまたは運動靴。新品は避ける
- •体調管理:試験の1週間前から特に注意。前日は早く寝て十分な睡眠を確保する
- •ウォーミングアップ:会場に向かう前に軽く体を動かしておく。到着後は深呼吸でリラックス
- •心構え:できなくても泣かない、途中で投げ出さない姿勢を事前に確認する。「一生懸命やればそれでOK」と伝える
- •待ち時間の過ごし方:順番を待っている間もお行儀よく。お友達の頑張りを応援する姿勢は好印象
- •怪我の予防:爪を短く切る。長い髪はしっかりまとめる。ポケットの中にものを入れない